初夢とはいつ見る夢?いつからいつまでの夢のこと?
「大晦日の夜に見るのが初夢でしょ?」 「いやいや、1月1日の夜に見るのが初夢だよ」 「え~っ!、2日の夜に見るのを初夢って言うんだよ!」 |
こんな感じで、「初夢」についての解釈は人によって意外にバラつきがあるようです。
どれも正解のように見えますが、一体どれが本当の「初夢」なのでしょう?
気になったので調べてみました。
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もくじ
初夢とはいつ見る夢のコト?(現代の解釈)
現代の「初夢」の定義はコレ!
現代では、初夢とは
元日の夜に見る夢、もしくは正月2日の夜に見る夢 |
というのが一般的な解釈のようです。
というのも、大辞林や広辞苑などでこのように説明されているから。
解釈にバラツキはあるものの、「新年に初めて見る夢が初夢」というイメージを持っている人が多いので、まあ妥当な説明だと言えますよね。
個人的には、「元日の朝に目覚めるまでに見た夢」も初夢と言えるのでは?とも思いますが・・・
現代にいたるまでには「初夢」の解釈はいくつもあった!?
昔の解釈では、初夢について以下のような4つの説があったようです。
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歴史と共に「初夢」の解釈も変わっていったようですので、それぞれを深掘りしてみました。
初夢とはいつ見る夢のコト?(昔の解釈)
昔の解釈その1:「節分から立春にかけての夢」説
「初夢」という言葉が出てくる文献の中で最も古いのが、平安末期の歌僧「西行法師(さいぎょうほうし)」が作った「山歌集(さんかしゅう)」と呼ばれるものです。
西行法師は山歌集に「節分の夜から立春の朝にかけてみる夢のことを初夢」だとする和歌を載せています。
その当時は正月ではなく立春を新年の始まりとしていたため「節分の夜から立春にかけて見る夢が初夢」というのが一般的だったようですね。
昔の解釈その2:「大晦日から元旦にかけての夢」説
江戸時代になると「正月を新年の始まり」とする考えに変わっていきました。
「解釈その1」の考えでは「新年の前日(節分)から新年の朝(立春)にかけて見る夢」を初夢としていましたから、「正月の前日(新年の前日=大晦日)から正月(新年の朝=元旦)にかけて見る夢が初夢」という考えに引き継がれていったと考えられています。
しかし、その時代の人々はお正月に向けて忙しくなってしまい徹夜することも多かったと言います。
寝る暇もないのだから夢も当然見ることができません。
そんなワケで「大晦日説」は次の「元日から1月2日にかけての夢説」へと変化していくのでした。
大晦日の江戸の人々はとても忙しかったと言います。
それぞれのお正月の準備、初詣や鐘つきの準備などは何となく想像できますよね。
その他には、借金の取り立て、借金取りから逃げる、というのも忙しさの理由だったようですよ。
昔の解釈その3:「元日から1月2日にかけての夢」説
大晦日があまりにも忙しかったため、初夢は「大晦日説」から「元日から1月2日にかけての夢説」へと変わっていきました。
この説でひと段落するのかと思いきや、元日も元日で忙しかったようで、次の「1月2日から1月3日にかけての夢説」へとまたまた変わっていくのです。
昔の解釈その4:「1月2日から1月3日にかけての夢」説
当時の人たちは、新年が明けてからも仕事始めの準備や新年が明けてからの諸々の行事などで忙しく過ごしていたそうです。
「新年初めの夢くらい、ゆっくり見たいものだ」ということで、落ち着きを取り戻してくる「1月2日から1月3日にかけて見る夢」を初夢とする考えに変化していったと言います。
また、1月2日は「商売のスタート」や「書初めが行われる」、「2日から始まる行事も多い」ということで、「2日からが本格的な新年のスタート」という考えもあったようです。
そのため、「2日の夜に見る夢を初夢」と考えるようになったとも言われています。
この他にも理由があったようです。
その立役者となったのは「縁起のいい絵」。
どういうことかと言うと、正月2日に縁起のいい絵(宝船の絵など)が売り出されていたらしいのです(絵師さんにとっては商売のスタートですね)。
この絵を枕に敷いて寝るとイイ夢を見ることができるという噂が広まり、2日の夜に見るであろう「イイ夢を初夢としたい」ということで、「2日の夜説」が広まっていったとも言われています。
紆余曲折を経て現代の解釈へ
そんなこんなを経て、今では冒頭でご紹介したような
元日の夜に見る夢、もしくは正月2日の夜に見る夢 |
という解釈が定着していきました。
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などなど、いろんな想いで今の解釈になったのかもしれませんね。
まとめ
「初夢とはいる見る夢?」「いつからいつまでの夢のことなの?」について調べてみました。
ひと通り見てきて思ったのは「けっこう曖昧なのかも」ということ。
厳密なルールがあるワケでもないので、「初夢」と言ってよさそうな時期に見た夢ならば、ある程度は自分に都合のイイように考えてもイイのかもしれませんね。
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